「会社に勤めている」は I work at a company. と現在形を使うのは分かりました。 では「会社に勤めていた」と言うには、過去形を使えばいいですか?それとも現在完了形か過去完了形を使うのでしょうか? |
実はこの「勤めていた」のような過去「〇〇していた」という表現をするのに便利な言葉として、used toがあるので、このused toの使い方や、be used toとの違いなどを解説していきます。
そして最後になぜこのような時制に対する迷いが出て答えが出ないのかも解説します。
1.過去にやっていたなら「Used to」
例えば、
A: I started to work at ABC restaurant recently. B: Really? I used to work there too. |
このように、「勤めていた」と表現するなら、「used to (ユーストゥ)」を使います。
used to というのは、過去やっていたけど、今はやってない事を表現する言葉です。
A: Do you like Coke or Pepsi? B: I used to drink only Coke. But I like Pepsi more these days. |
上記のように、「過去は習慣だったけど、今は違う」という時に使うわけです。
I used to smoke. But I’ve already quit. 以前はタバコを吸ってたけど、もう吸ってない。 Now she is fat & getting old. But you know? She used to be slim & very popular. I used to watch this drama series. But I’m already bored. |
などなど以前は〇〇だった(けど今は違う)という様々な発言に応用できます。
ちなみに以前は50kgを持ち上げられたけど、今は出来ない。というなら、
I used to be able to lift 50kg, but now I can’t. |
という感じで、used to can とは出来ないでの、used to be able toとします。
2.used to の疑問形と否定形
Used toを疑問形で使うと下記のようになります。
Did you use to drink milk when you were a child? 子供の頃、牛乳をよく飲んでましたか? |
一応、文法書的には頭が Did になるので、use to となります。しかし発音はユーストゥと変わりません。ただこれは native の人によっては Did you used to でも良いと言う人が多いです。いずれにせよ英会話的には発音は一緒なので、心配要りません。
また否定形だと今度は
I didn’t use to like him. But now I’m his fan. 以前は彼の事が好きじゃなかったが、今は彼のファンだ。 |
のように使う事が出来ます。
ただ、基本的には
I didn’t like him. But now I’m his fan. |
と普通に過去形で言っても意味は同じです。
3.混同してはいけない be used to
I’m used to working here. |
と言った場合、どういう意味か分かりますか?これは「以前していた」の意味ではありません。「私はここで働く事に慣れている」と言っています。発音的には同じくユーストゥですが、意味がまったく違います。
I used to work here. = ここで働いていた I’m used to working here. = ここで働く事に慣れている |
基本的にbe used to の後ろにはitなど物事(名詞)が入るため、
ゆえにworkならworkingとした方が文法的に良いです。
used to = 以前していた be used to = 慣れる |
という事で、まったく別の意味になるので、気を付けてください。
A: Don’t you think that job is too hard? B: I’m used to it. |
上記のように使います。
A: Don’t you need the recipe? B: Don’t worry. I’ve got used to making this cake. |
こんな感じで、makingとなります。ちなみに上記のように
I’m used to it. = 慣れている I’ve got used to it. = 慣れた I’m getting used to it. = だんだん慣れてきた |
などニュアンスの変更が可能です。 つまりamの変わりにgetを使って
get used toでも同じ意味になるという事です。
beとgetが入れ替えられる理由はこちらで解説してます。 |
まとめ<時制で迷う原因>
そんな感じで、used to と be used toの違いや使い方、理解出来たでしょうか?
・used to = 以前〇〇していた ・be used to (get used to)= 慣れている |
一番最初の質問の、「会社に勤めてる」= I work at a company が 「会社に勤めていた」ならどの時制になるのかという質問ですが、
なぜこういう迷いが出てしまうかというと、会話ベースで考えてないからです。ただ漠然と「会社に勤めてたって英語でどう言うのかな」と考えた場合、
I worked か、I’ve worked か、I’d worked かと3択になってしまうわけですが、
そうじゃなくて、必ずどういう会話の流れでその発言をするのか?というシチュエーションを考えてください。
「会社に勤めてました」という一言を使う場面はいつ、どんな時なのか? |
そこが抜けてるから文法的に考えてしまって答えが出ないわけです。
第一項での解説のように、まずAさんの「私最近、ABCレストランで働き始めたんだ。」
という一言があって、そこで初めて「私もそこで以前は働いてました」という発言が出てくるわけです。それを英語に訳すにはどうすればいいかなと考えた時、初めてused toというより使い勝手の良い言葉の選択肢が頭に出てきます。
逆に会話ベースで考えないと、いつまで経っても英語は話せるようになりません。理由はただの文法の暗記でしかないからです。
文法の暗記というのは、地図を持ってるのに、地図が読めないような状態です。実際の地形と地図の地形が頭の中でつながってないと地図が読めないわけです。英語も同じで「以前働いてた」という発言は実際はどんな場面で使うかな?というシチュエーションで考えないと適切な答えは出ません。
例えば、
「実は私、先月までそこで働いてましたよ」というなら Actually, I was working there until last month. |
などと言えばいいですし、
「一度そこで働いた事があります。」というなら、 I’ve worked there once. |
と言ってもいいわけです。
ただ単に「以前働いてた」という一言を英語に訳そうとすると正しい答えは出ません。
必ずどういう会話場面であなたがどうそれに返答したいのかを考えてください。そうする事で使う時制や文法は変わってくるし、自ずと答えも出てきます。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 →現在完了進行形と完了形の違いは?2つの法則でもう迷わなくて大丈夫! |