どうしてここではTheが付くのか?この時はなぜ付かない?という疑問が解決するように、分かりやすい例題とパターンで解説していきます。
1.Theにはこんな意味がある!だから付ける!
<Theの基本的な意味の理解>
Theは「特定のもの」を表現するためにある言葉です。
と言ってもよく分からないと思うので、例文を出すと
例えばあなたの友人が入院してるとします。
町には沢山の病院がありますが、その友人が入院してるのは特定の病院なわけです。
で、
I’m looking for a hospital. |
というと、単純に病院を探してる感じがします。病院ならどこでもいいから、とりあえず病院を探してるという感覚です。
I’m looking for the hospital. |
というと、特定の病院を探してる感じがします。なので、例えば友人の入院先の病院を探してるならTheを使うべきでしょうし、他にもあなたがアトピーで悩んでいて、皮膚科の病院を探してるなら、様々な科の中の「皮膚科」という特定の病院を探してるという意味でTheを使う事も出来ます。
なにかTheを使う事で、特定の何かを指している感が出るという事なんです。
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例えば、あなたが歩いていた所、通りがかりの男性にバッグを強奪されたとします。
あなたは警察に行き、事情を説明します。
あなた: A guy attacked & took my bag. 男に襲撃されてバッグを取られました。 警官: Do you remember the guy’s face? |
すると警官が何枚かの顔写真を持ってきて、見覚えがないか聞いてきました。
写真の中の1枚に今日あなたを襲撃した男の写真があったとします。
This guy! He is the guy who took my bag! こいつです!この男が私のバッグを取った奴です! |
さて、この3つのセリフ、なぜ最初は[a guy]で、次は[the guy]なのでしょう?
まず、最初は警察にとにかく「1人の男に襲撃された」という事を伝えるために[a guy]を使っています。
で、次の [the guy] は「その襲撃した男」と特定の人物を指してるわけです。
最後のHe is the guyというのも、彼が「その男」と表現してるわけで、つまり「その〇〇」のように表現したい時にTheを使うという事です。
ちなみにこういう場合は、the = that でもあります。
警官の発言をDo you remember that guy’s face? と変えてもOKです。
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まだしっくりこないと思うので、もう一例出します。
例えば、来週ビーチに行く計画を立てているとします。
We are going to a beach. You wanna join us? We are going to the beach. You wanna join us? ビーチに行くんだけど、君も来ないか? |
さて、この場合、どちらを使っても良いのですが、ニュアンスに違いが出ます。
Theを使うと、もう行き先のビーチが決まってる感じがします。なぜなら「The」は特定のものを指してるからです。
逆にaを使うとどのビーチにするかまでは決めてない感じがします。いくつかあるビーチの中の1つに行くという感じがするわけです。
ここまでで、いまいちしっくり来なくても大丈夫です。次の項でさらに理解が深まります。
2.The は1つしかないものに使う。
Theは基本的に1つしか元々無いものに対して使います。
例えば、アメリカのホワイトハウスはこの世に1つだけですよね?なので、
I visited the white house. |
でも、その辺にある白い家も英語でwhite houseです。
I’m looking for a white house around here. |
この辺で白い家を探してるんですが。
と言う風にただの白い家なら通常はaが使われます。
例えば、あなたが自分の家にいる場合は、
I’m going to the toilet. Did you lock the door? |
などのように、トイレや家のドアにはTheが大抵使われます。理由は1つの家に最初からトイレも家のドアも1つしか付いてないからです。(大きな家だとそうじゃないかもしれませんが)
theというは第1項で言った通り「特定のもの」なわけです。
例えば、I’m going to the toilet と言えば、大抵どこのトイレに行くか分かるわけです。ああ、あいつは家の中のトイレを使うんだなとか、ああ今目の前にある公衆トイレに行くんだなとか、ようは特定できる時にtheを使うわけです。
Doorも例えば家族で出かけた後に Did you lock the door? と聞かれた場合、お互いどのドアの事か分かってるわけです。こう聞かれたら「ああ、玄関のドアの事を聞いてるんだな」と分かります。
最初のホワイトハウスも[The white house]というと、自然と大統領官邸のホワイトハウスが頭に浮かびます。Theはそうやって「特定の1つの物」を連想させる時の言葉だと思ってください。
<例外1:Theは商品名、社名などの名称に必要か>
特定の1つでもTheを付けなくて良いパターンがあります。それは社名や商品名、人物の名前など、いわゆる固有名詞と言われるものです。
例えば、Georgeという名前の友人に対して the George とは言わないですよね。
他にもSonyはThe Sonyという必要はないですし、PepsiもThe Pepsiではないんです。
Theというのは、特定しづらいものを特定する時に必要とするものです。
例えば最初のWhite houseのように、白い家なのか、大統領官邸なのかそれだけでは分かりづらいものにはTheと付けるわけです。
例えば 東大の事をThe university of Tokyo (The Tokyo university) と言います。
これが早稲田だったら、Waseda universityです。なぜ東大だけTheが付くか分かりますか? 例えば、東京都内には大学が沢山あるわけです。
東京の大学と言ったら早稲田だって含まれます。A university of Tokyo というと「東京の大学」という意味であり、都内のどの大学を指しているのか分からなくなります。
だから、東大にはTheが必要なのです。でも Wasedaと言ったら、早稲田しか思い浮かびません。東京大学やホワイトハウスのように他の物を連想してしまうようなものにはTheを付けるわけです。
<例外2:1つじゃなくてもTheは使える>
ここまでの話では「特定の1つ=The」という風に説明してきました。ただ2つ以上のものに対してもTheが使われる事はあります。
例えば第1項で男に襲われたという例文がありましたが、それが2人組の男だったのなら、the guysです。
They are the guys who took my bag. |
という感じに、特定されるものが2つ以上の場合でも同じようにTheを使う事が可能です。
3.復習とまとめ
では、もう一度理解できているか下記の例題を見て確認してみましょう。
I watched a movie yesterday. I watched the movie yesterday. |
上の「a」は、映画を昨日観たと言ってるだけで、どの映画かまでは相手に分かりません。逆に「The」を使った場合は、「例の映画観たよ」のように、なにか特定の映画を観たというニュアンスになります。相手もそれを聞いて「あ、あの映画の事か」と連想出来るような状況でTheを使うわけです。
Can you open a window? Can you open the window? |
部屋に3つの窓があるとします。Can you open a window? と言われた場合は、3つうちどれでもいいから1つ開けてくれる?という意味です。Can you open the window?と指さしながら言われたのなら、「その窓を開けて」という意味ですから、指をさした窓を開けます。
Can you open the window? |
です。最初から視界に1つしかないものにはTheを使います。
という具合にTheの使い方理解出来たでしょうか?まとめると、
1.TheはThatと同じようなもので「その」「例の」などお互いがそれがなんなのか認識できるものに使う 2.Theは基本的には1つのものに使う。視界に1つならTheを使う。 3.社名、商品名などの固有名詞には基本的には要らない。 |
という3つのポイントを押さえておくと使いこなしやすくなると思います。そんなわけでちょっと身の回りのものにaやTheを付けて言ってみてください。練習する事で身体に染み付いて自然と使い分ける事ができるようになりますので。 ちなみにaが付く付かないも下記の記事でしっかり理解しておくとTheへの理解も深まります。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 |