ここでは、日本人がもっとも苦手とする単語でありつつネイティブがとても好んで使う単語「Would」の使い方を徹底解説していきます。
Wouldは英会話では欠かす事の出来ない重要基礎単語なので、英語を話す上で絶対に理解しておかなければならない言葉の1つです。
しかし中学校の教科書や一般の文法書には「Willの過去形」と書いてあるがゆえに「未来形の過去形ってなんだよ(汗)」と大変困惑してしまう言葉ですよね。
ここではそういうややこしい事がないように、会話例で口語的に説明しているのであなたも実践ですぐ使えます!
Wouldの意味と使い方 重要度★★★★★
1.Wouldのカテゴリー
Can Could Will Shall Should May Might Must |
と同じカテゴリー(助動詞)に属します。
これらの単語はgo, comeなどの「動き」を「補助する」単語です。
I go. = 行く I will go. = 行くよ (行く予定) I would go. =行くだろうなぁ |
とできる確率やニュアンスを付け足すのがwouldなどの「助動詞」の役割です。
では、ここからは文法用語なしで会話例で解説します!
2.WouldがWillの過去形ってどういう事?
Would you like some drink? (飲み物はいかがですか?) |
も現在形ですよね。なので、Willの過去形と覚えない方がいいです。
覚えるなら、Willより丁寧語であり、確率の下がった聞き方だという事です。
次の項で詳しく説明します。
ただ、文章的に過去形として使われる事もあります。例えば、
Would you mind if I asked you to work today? 君に今日(休みのとこ悪いけど)出勤してもらえないかと思ってるんだが |
このように、Wouldは文法的にはWillの過去形という事になっているので、
意味的には現在形にも関わらず、ifの後ろのaskがaskedと過去形になったりします。
これは「架空の話」の時に使うWouldのパターンでこれもこの後詳しく説明します。
3.Wouldを使った会話(~だろう)
Wouldというのは確率の下がった言い方であると前項で触れました。
どういう事かというと
Would you like to come to our party tonight? 今夜パーティがあるんだけど来ない? |
と聞かれて、
I will go! と答えれば「行くよ!」とほぼ100%行く事を指しますが、
I would go if I had time. と答えれば
「時間があれば行くだろうね(実際には時間はない予定だけど)」という感じに行く確率が大幅に減ります。
確率で言えば10%位と考えて良いです。
その他にも、例えば
上の会話を見てください。
Where’s Tien? He wouldn’t come. He said he won’t see us again. 悟空: 天津飯はどこだ? クリリン: あいつは来ないだろう、もう会うことはないって言ってたしな。 |
なぜここで、クリリンは
He wouldn’t come. |
と言ってるのか分かるでしょうか?もしここでクリリンが
He won’t come.(He will not come.) |
と言ったなら、それはクリリンは天さんが来ないと知っているという事になります。
「天、明日の天下一武道会おまえも来るよな?」 『いや、明日は用があって無理なんだ』 |
という具合に電話で確認でもしてるなら、He won’t come.(彼は来ないよ)でいいでしょう。
しかし、確認したわけじゃないので、天さんはもしかしたら来てるかもしれません。
こういう定かではない事を言いたい時はwouldを使えば「来ないだろうな」と断定ではなく、やんわりとしたニュアンスで言えるわけです
「英語は物事をハッキリ言わなきゃいけない言語だ」なんていう人もいますが、そんな事はありません。上記のようにWouldを使えばやんわり物事を言ったり聞いたりできるのです。ネイティブはやんわり相手になにかを聞くためにwouldを多用します。つまりWouldというのは、確率(可能性)が下がったWillという感じです。
4.丁寧な Would
前項で触れた通り、Wouldというのは丁寧語です。
例えば、英会話では
Would you like to go for dinner with me? 私と一緒に夕食を食べに行かないかい? |
という感じで、なにかを「しませんか、いかがですか」と勧める時に
Would you like を使いますが、
そもそもこれはwantの丁寧語です。
<Would you like = Want の丁寧語>
例えばよく英会話では
Do you wanna go for dinner with me? (Do you want to go for dinner with me?) |
のように言う事も多々あります。
意味的にはまったくWould you likeの聞き方と一緒です。
ただWould you likeの方が、丁寧により控えめに誘っている感じがします。
I want to go to Central station. (I wanna go to Central station.) I would like to go to Central station. (I’d like to go to Central station.) |
どれも「セントラル駅に行きたい」と言ってます。
ただI would like の方がより丁寧に言っている感じがあります。
最初に出てきたWould you mindもそうです。
Can I get your phone number? 電話番号(教えて)くれますか? |
と聞いてもいいですが、
Would you mind if I asked you for your phone number? 電話番号を聞いても大丈夫ですかね? |
だと、とても控えめに丁寧に聞いてる感じがあります。
Wouldを使った会話というのは、とても丁寧な言い回しなので、目上の人や初対面の人と会話する場合はとても重宝します。英語は確かに日本語ほど敬語とタメ口の境目はありませんが、場面によって丁寧に言いたい時は、上記のように使い分ける事が出来るという事です。
5.架空の話のWould
先ほど I would go if I had time. (時間があれば行くよ)という言葉が出てきました。このようにWouldは「例え話、仮の話」でよく使われます。
If I won the lotto, I would donate some. もしロトが当たったら、いくらか寄付するだろうな。 |
このように「もし〇〇なら」のように、架空の話の時にWouldを使います。またこういったパターンのWouldの時は上記の「win → won」のように対になっているセンテンスが過去形に通常なります。理由はwouldは文法上はwillの過去形という事になっているからです。
6.映画のセリフからWouldを理解する
さて、ここまでWouldを解説してきて、なんとなくWouldという単語の意味と使い方が分かってきたんじゃないでしょうか?ここでさらにしっくりきてもらうために映画のセリフでWouldが使われているものを解説したいと思います。
Star trek Into darkness (邦題:スター・トレック イントゥ・ダークネス) カーク: If Spock were here and I were there, what would he do? 「もしスポックがここにいて、俺があそこにいたら、彼はどうするだろう?」 |
これはスポックという副船長が噴火寸前の火山の中で「私の事は助けなくていい」とカッコイイ事を言ってる時の船長カークと船医ボーンズの会話です。
噴火寸前の火山にスポックを助けにいくのは、助けるカーク達にもリスクがあります。
でも船長カークはスポック1人のために船のみんなを危険に晒してでも彼を助けたいわけです。
でも、もし逆にスポックが船長として判断するなら、彼はみんなを危険に晒すような真似はしないで、火山に残った1人を死なせるだろうと言ってるわけです。
この会話では、I were thereのように wereと過去形になってるのは、あくまで仮定(想像)の話だからです。実際には自分は火山にいないけど、もし自分が火山にいたのならという架空の話であり、それに答えるボーンズも「彼なら君を死なすだろう」とあくまで予想を言ってるだけであり、もしかしたらスポックだってみんなを危険に晒してでも助ける選択をするかもしれません。だからこの会話はWouldで話されています。
本来「I am」の過去形は「I was」ですが、こういうifの文章の時だけI wereになります。ちょっと特殊なパターンです。 |
で「船を危険に晒すなんて貴様は船長失格じゃい!」と先輩のパイクに怒られました。
カーク:I don’t think I am, sir. What would you have done? 「(船長失格だと)俺は思いません。あなただったらどうしてたっていうんです?」 |
ここでひとつポイントです。
What would you have done? |
Wouldというのは、本来は現在形で使う事は話しました。
そこで過去を強調したい場合は、後ろに現在完了形をくっつけるんです。
What would you do? =あなたならどうする? What would you have done? =あなたならどうしてた? |
こんな感じで、過去を強調したい場合は I would have done のようにWouldと現在完了形を合体させて使ったりします。ちなみにこれはCouldやShould、Mightでも同じです。
また別のセリフでは
アリス: Would you please turn around? 「すいませんが、向こうむいてもらえますか?(着替えるので)」 |
基本的になにかを頼む場合は、Can you, Could you などが使われますが同じようにWould youでも「〇〇してもらえますか」のように頼む事も出来ます。Will youでもなにかを頼む事はできますが、あまり丁寧な言い方ではないのでWill youを同じように使うのは個人的にはオススメしません。(→この頼む言い方についてはCanの記事参照)
こんどはこんなセリフ
The Klingons would come searching. クリンゴン星人は探しにくるだろう。 |
このセリフはなぜwouldなのかというと、第3項のクリリンの発言と同じです。「きっと来るだろう」という予想であり、でも確証はないのでwouldを使っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?沢山意味があるように感じたかもしれませんが、あくまで「Would」という言葉のイメージは「控えめで丁寧で確率の低いwill」です。一つ一つの日本語訳を暗記するのではなく、このイメージやニュアンスで理解してください。
例えば、Would you like = いかがですか?と覚えてしまうと、他のWouldも全部=いかがですか?と思ってしまうから訳せなくなり分からなくなります。 |
でもWould you like = wantの丁寧語と覚えておけば、他の使われ方をしても分かりますし、Would=丁寧で確率の下がったニュアンスなんだと覚えておけば、様々なWouldの変化球にも対応できるようになります。
変に「willの過去形」のように文法チックに覚えるのではなく、会話ベースで考える事が英会話力UPの近道です。
そんなわけで「Would」の意味、ご理解頂けましたでしょうか。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 →Can、Couldの意味と意外な使い分け方 [Couldは過去形じゃなくて〇〇語だった!] |