ここでは「like」について、2つの使い方とその使い分け、聞き分けをできるようにするポイントを徹底解説していきます。
Likeを使いこなす事で、言葉にならない言葉を言えるようになります。英語を話せる人は例外なくやっているLikeの使いこなし方をここでマスターしましょう!
「Like」の意味と使い方 重要度★★★★★
<Likeの意味と2つの使い方>
普段、皆さんが知っている「好き」を意味するLikeは「動詞」というカテゴリーに入ります。動詞とは「動き」を表す単語の事で、ようは
Do, go, come, want , ask, hear, have, get, love… |
などの動きに関連する単語達の事です。Likeも英語では「好む、好く」という「動き(動詞)」として認識されています。
ただ、実際の英会話ではこれ意外の使い方もよくします。例えば、
あなたはこのフルーツを知ってますか?あなたがこのフルーツを食べた事がないとして、一粒友達にもらったとします。
あなた:What’s this? 友達:It’s a longan. I think you’ll like it. あなた:A longan? It’s like a lychee. 友達:Yeah, it looks like a lychee. But it tastes like a grape. あなた:Yeah, it tastes nice! |
上の会話の内容、理解できたでしょうか?
ここでは2種類のLikeが出てきています。
「なにこれ?」『ロンガンだよ。君も気に入ると思うよ。』「ロンガン?ライチみたいだな。」『うん、見た目はライチみたいだね、でも味はブドウに近いかな』 「うん、おいしいね」 |
こういう事を話しています。
最初に出てきたlikeは「好き」の意味ですが、 次からのlikeは全部「〇〇みたい」と言ってるんです。 |
では、どうやってこの違いを見分ければいいでしょう?
それは語順でどっちのLikeなのか分かります。
語順で変わるLikeの意味
では、先ほどの4つのLikeを使ったセンテンスを比べてみましょう。
カテゴリー1 | カテゴリー2 | カテゴリー3 | カテゴリー4 | カテゴリー5 | |
1→ | You | will | like | it | |
2→ | It | is | like | a lychee | |
3→ | It | looks | like | a lychee | |
4→ | It | tastes | like | a grape | |
5→ | It | tastes | nice |
単語は「〇〇詞」という文法的なカテゴリーに属しています。
上の表はそれぞれの単語がどのカテゴリーなのかを表現しています。
まず、 1の You will like itのlikeだけは、カテゴリー3に入ります。
つまり、「is, look, taste」という単語達と同じ「動きのカテゴリー(動詞)」に属しているという事です。しかし、2,3,4のセンテンスの「Like」は5の「nice」と同じカテゴリー4に属しています。niceは「いいね!」という感情ですから「形容詞」です。つまり、この3つのLikeは「動詞」ではなく「〇〇みたい」という気持ちを表す「形容詞」なのです。
文法用語が苦手な人は「〇〇詞」っていう用語は覚えなくても大丈夫です。
とにかくLikeは語順によって違うカテゴリーに変わるから、意味が変わると覚えてください。
1つのセンテンスには同じカテゴリーの単語は連続しない
例えば、 It is like a lychee. の 「is と like」が両方とも動詞だったら、文法的におかしいわけです。なぜなら文法のルールとして同じカテゴリーの単語は基本的には連続しないからです。つまり、isが入っている時点で、次のLikeは「好き」の意味ではないと判断する事が出来ます。そうです、語順でどっちの意味かを聞き分ける事が出来ます。
He likes a cat. 「彼は猫が好きだ」 He is like a cat. 「彼は猫みたいだ」 |
では、上の2つはどうですか? 意味分かりますか?
使い方、分かってきました?
この「〇〇みたい」という言葉は非常に便利な言葉で、初心者英会話の大きな助けになります。
<とっさの会話で使えるLikeの応用技>
例えば、最初に出てきたこれ↓
このフルーツをスーパーで買いたいとします。フルーツ売り場でこれを探していると、店員さんが「What are you looking for?」と声をかけてきました。でもあなたはこのフルーツの名前を思い出せません。じゃあ、どうするか?
Umm, I can’t remember the name of fruit. But, it looks like a lychee. Color is green. And, it tastes like a grape. |
このように「えーと、名前が思い出せないんだけど、ライチみたいな奴で、緑で、グレープみたいな味の奴」という風に店員さんに説明すればいいのです。
このLikeを使いこなす事によって、語彙力があまりなくてもなんでも「〇〇みたいな」と表現できるようになります。いざ単語を忘れてしまった!どうしよう!という時にいつも助けになってくれるのがこのlikeなわけです。
映画のセリフからLikeを理解する
では、映画で実際にこのLikeがどういう風にネイティブに使われているかを見る事によって、Likeの使いこなし方を理解していきましょう。
AVATAR (邦題:アバター)
ジェイク: Looks like him. |
これは自分のアバターを見た、ジェイクとノームの会話です。
ジェイクは双子です。双子の兄の遺伝子で作られたアバターを見て「兄に似ている」と言ったら、ノームに「いや、君に似てるよ」と言われたわけです。
ちなみに Looks like とLookを使う事で「見た目」が「〇〇みたい」つまり似ている事を表現出来ます。味が似ているなら「Tastes like」のように、どの部分が似てるのかを前の単語で強調する事が出来ます。単に〇〇みたいと言いたいなら「is am are」を使えばOKです。 |
パーカー: 「もし君たちが彼らみたいな見た目で、彼らみたく話せば、彼らは我々を信じはじめる」 |
パーカーとグレイス博士の会話シーンですと言っています。
彼らとは惑星パンドラに住むナヴィ族の事です。ナヴィ族の信用を得るためにアバターシステムでナヴィ族とそっくりの見た目になり、そしてナヴィの言語を同じように話せば、ナヴィも人間を信用してくれるだろ?と言っているわけです。
You look like them = 見た目が彼らみたい (アバターを使って彼らと同じ見た目になる)
you talk like them = 彼らみたく話す(ナヴィの言語を流暢に話す)
という事です。
マイルズ: 「初日、シェーブテイル・ルイみたく感じたと思うか?そうだな、もし地球に帰れば治してもらえる。そんでカワイイ顔に元通りさ。でもな、実の所これが気に入っててよ」 |
これはマイルズ大佐が自分が惑星パンドラに来た時に負った顔の傷の事を話しているシーンです。
shavetail louieというのはもっとも低い階級でドジな兵隊の事です。昔は経験の足りない落ちこぼれ兵の馬のしっぽは剃られていたんだとか、louieというのは一番下の階級の兵士です。
で、なにを話してるのかというと、惑星パンドラに来た当初、現地の野生動物に顔に傷を付けられたと。でも地球に帰れば整形技術で傷跡は取れるので、綺麗な顔に戻れると話しているわけです。でも、実際の所、この傷が気に入っていると。
I felt like a shavetail louie? のLikeは「〇〇みたく(感じた)」という意味のLikeです。likeの前にfeltが入っているので、「みたい」の意味の方だと分かります。
そして、最後のI kind of like it. はちょっと特殊な言い方ですが、これは「好き」の意味です。「kind of = ある種の、その種類の」という意味で、「好きのたぐいである」という事を言っています。日本語にするのがちょっと難しいですが、「この傷あんがい好きかも」のような感覚です。このセンテンスには前方に「動詞」が入っていません。なのでこのLikeは動詞であり「好き」の意味なのです。
ジェイク: Everything is backwards now. Like out there is the true world and in here is the dream. 「今は全て裏返しだ。あっちが本当の世界で、こっちが夢みたいだ。」 |
今度はアバター生活に馴染んだジェイクの独り言です。
ジェイクは車椅子の青年です。でもアバターの肉体を使えば歩けます。自力で歩く事が出来る肉体であるアバターでの生活が本物で、車椅子生活である現実が逆に夢のように感じてきているという事を言っています。
今回の Likeは「〇〇のような」の方のLikeです。これは本当はセリフの先頭に
(It’s) Like out there is the true world とIt’sが隠れているんです。
Likeが先頭に来た時は大抵この「みたい」の意味の方です。
「好き」の意味の時は I like, you like, he likesのように「誰が」の部分がちゃんと入ります。
<まとめ>
いかがでしたでしょうか?Likeには2つの意味があり、その見分け方は語順で分かるというのが理解出来たでしょうか?
英語を話せない日本人が陥りがちな部分なんですが、「〇〇に似てる」と言いたい時に「似てるって英語でなんて言うんだろう」と考えたあげく、言葉に詰まってしまう事があります。でも「似てる=〇〇みたい=〇〇のようだ」であり、どれも一緒です。1つの日本語の単語に固執してしまうと、Likeでこんなに簡単に言える事が言えなかったりします。
日本語に固執せず、Likeであやふやな事は全て表現できるんだと理解してください。映画を見てると常にこのIt’s likeの形が出てきます。これから映画を見る時は「あ、ここでもLikeを使ってる!こう表現できるのか!」というのを英語字幕などで確認しながら見てみてください。あなたの自力で英語を話す力が劇的に伸びるはずです。
Likeがあれば、沢山単語を暗記してなくたって「〇〇みたいな」で表現できるのですから。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 →kind of の意味とネイティブ的な「はぐらかす」使い方 |