believe=「信じる」という意味なのは皆さんご存知だと思いますが、「信じる」と訳すとうまく意味が通じないセリフが映画などで多々あると思います。
ここではbelieveの感覚を様々な例文や映画のセリフなどを通して解説していきますので、ネイティブ会話に出てくるbelieveの使い方をしっかりマスターしちゃいましょう!
1.believeの意味と使い方
基本的な意味はご存知の通り「信じる」という意味ですが、信じるにも2つの使い方があります。例えば、
Jessica said, my boyfriend is cheating on me. But I don’t believe her. ジェシカが私の彼氏は浮気してるって言ってたけど、私はそれを信じてない。 I believe in my boyfriend. |
これが1つの「信じる」の意味のパターンです。では次の例はどうでしょう?
I believe my boyfriend is cheating on me. |
今度のは、「信じる」というよりは「思う」に近いです。
なぜなら「私は彼氏が浮気してると信じている」と訳すとちょっと変に感じますよね?
訳すなら「私は彼氏が間違いなく浮気してると思っている。」という感じです。
I think my boyfriend is cheating on me. |
とthinkで言ってもいいのですが、
thinkより強く、そして間違いないと感じている感じがあります。
I think my boyfriend is cheating on me. たぶん浮気してると思う。 I believe my boyfriend is cheating on me. |
I think = たぶんそうだと思う I believe = 間違いないと思っている |
という感じです。つまり、thinkが積もり積もって、最終的にbelieveになる感じです。
例えば、最初はジェシカに「あなたの彼氏が他の女と歩いてる所見たわよ」と言われても、
I don’t believe he is cheating. I think he was just with his friend. 私は彼が浮気してるとはまったく思ってない。たまたま女友達と一緒にいただけでしょ。 |
という風に彼氏の浮気をまったく疑っていない=don’t believeだったのが、
なにか最近おかしい。連絡が減った。ドタキャンするようになった。ファッションが変わった。など、なにやら怪しくなってきた所で、
I think my boyfriend is cheating on me. But I still believe him. 彼氏が浮気してるんじゃって思ってる。でもまだ彼を信じてる。 |
な状態になり、ケータイ履歴の消去があったっぽい事などを見て、
I believe my boyfriend is cheating on me. 彼は間違いなく浮気していると私は思っている。 |
になるわけです。
ただ、あくまでI believeは「自分が思い込んでる」だけです。
本当にほぼ100%そうである確信があるなら、
He is cheating. 彼は浮気している。 |
とI believe や I thinkを付けずに言うでしょう。
ほぼ間違いない事は確かなんだけど、100%と言えるような確証がない時なんかにこの I believeが使えるわけです。
このようにbelieveには「信じる」と「間違いないと思う」の2つの使い方があります。
2. believe と believe in の違い
第1項の最初のセンテンスで、
Jessica said, my boyfriend is cheating on me. But I don’t believe her. I believe in my boyfriend. |
というのが、ありました。なぜ
I don’t believe her. I believe in my boyfriend. |
としたかというと、believe in となると、絶対的信頼関係を意味するからです。
I don’t believe herというのは、ジェシカそのものが嘘つきと言っているわけではなくて、「あんたの彼氏浮気してるよ」というジェシカの考えを信じないという感覚です。
逆に
I believe in my boyfriend. |
というのは、別に彼氏に「浮気してるの?」と尋問したわけでもなんでもなく、ただ単に彼氏はそういう事をする人じゃないと信じているという感覚です。
例えば、実際に彼氏に「あんたもしかして浮気してる?」と尋問し、彼氏の「してないよ」という言葉を信じたならI believe him. です。
I don’t believe in her.と言ったなら、それは浮気してると言い出したジェシカはもともと人を騙すような人間であり、ジェシカ自身を信用してないという意味になります。
また、believe in とは、存在を信じるという意味もあります。例えば、
I believe in miracle.(奇跡を信じる) I don’t believe in UFO.(UFOを信じない) |
のような、お化け、サンタ、運命、占いなど、そういう信じる、信じないを話す場合は、believe in が使われる事が多いです。 ちなみに
I believe in god. I believe god exists. |
言ってる事は全く同じです。必ずしもbelieve in を使わなきゃいけないという事ではない事を補足しておきます。
3.映画のセリフからbelieveの使い方を理解する
では、ネイティブが実際どういう時にbelieveを使っているか見ていきましょう。
Inception (邦題:インセプション) コブ: I think I found a way home. 「家に帰れる方法を見つけたかもしれないんだ。すごい権力を持つ人達の仕事で、彼らなら俺の罪を完全に抹消できるんだ。」 |
コブは妻殺しの容疑をかけられているため自分の国に帰れません。しかし権力者サイト―から依頼された仕事を完遂すればサイト―はコブの容疑を裏工作して完全に消す事を約束しています。ここで、コブが I believe を使っている理由として、コブはサイト―が100%罪を消せる確証は持っていません。
もし確証を持っているなら、People who can fix my charges permanently.と
I believeを入れずに言えば良いわけです。
でも、今までのサイト―とのやりとりでサイトーが本気で飛んでもない権力を持ってる事は分かっています。なので、ほぼ確実に90%位の確率でサイト―は容疑のもみ消しができる人物であると信じているので、I believeを使っているわけです。
Star trek into darkness (邦題:スター・トレック・イントゥ・ダークネス) カーク: What did you tell him? 「何て提督に言ったんです?」「本当の事をさ。俺がお前を信じてるって事をだ。」 |
これは、カークが船長をクビになった後、上司のパイクが提督を説得した時の事を話してるシーンです。「提督には自分がお前を信頼している事を話しておいた」という事を言っています。believe in youと言うとなにか底力を信じてるようなニュアンスになります。
例えばカークは条約を無視してガンガン自分の思った事をやるので、外面的には聞かん坊でトラブルメイカーなわけですが、その根底には誰よりも熱い情熱があり、やればできる事をパイクは見抜いているわけです。だから、believe in you = お前を信じていると言ってるわけです。
よく自信を持てない人に対してbelieve in yourself = 自分を信じろ!という事を言ったりしますが、believe in となると、そういう風に「本当は力がある事を信じる」というニュアンスになります。
「俺の忠告を無視すれば、お前たちは殺されるだろう」 |
捕まったカーンが意味ありげな発言をし出したので、彼の話を聞こうとした船長カークに対し、スポックは「奴は船長を言葉巧みに騙して逃げ出そうとしてると思います」という意味で、I believeを使っています。これはI thinkでももちろんOKですが、スポック的には今まで様々な心理学などを学んできた過程からすれば、ほぼ間違いなく彼は騙そうとしていると判断しているので、I believeを使っています。
でもスポックには確証がないわけです。カーンが嘘をついているという絶対的な確証がないので、He is trying to manipulate you! と直接言わず、あくまで自分の意見としては間違いなくこうですという意味も込めて I believeを使っています。
まとめ
という感じでbelieveの感覚掴めたでしょうか?
believeを「信じる」でうまく訳せない所は「(強く)思う」という風にすると大抵訳せます。このbelieveの感覚を理解する事でネイティブ会話にもどんどん着いていけるようになるので、ぜひこの感覚を覚えておいてください。
関連記事 → knowとunderstandの違いを間違えずバッチリ使い分けるための理解の仕方 |