よくネイティブは時間の表現や数量の表現で、a couple of hours. a couple of things などと言ってきます。
このセリフを聞いて「一体何時間の事?何個の事?」と思う事が結構あると思います。この[a couple of]の実践的な使い方と実際の意味について解説していきます。
1.そもそものCoupleの意味とは
もともと皆さんもご存知の通り、Coupleとはカップルの事で、2人組の事を指します。なので、基本的には [a couple] =「2」を指します。では、いつも2の意味になるのかというとそうでもないのです。ですので、場面別に説明していきます。
2.a couple of hours の意味
例えば、映画館に向かっているとします。
A: I think we should hurry up. B: We still have a couple of hours to the starting time. |
こういう場合は、基本的にa couple of hours と言ったら「大体2時間」を指します。ただ必ずしも2時間を意味しない事もあります。
I’m going out for a couple of hours. So see you later. ちょっと数時間出かけてくるから、またあとでね。 |
で、今度はどうかというと、きっちり2時間後に相手が帰ってくるかというと、そんな事はありません。もしかしたら相手は3時間か4時間後位に帰ってくるかもしれません。
つまり、a couple of hours というのは、一応基準としては「2時間」という意味です。映画までの時間を聞かれて時計を見た時に2時間前後の暇があったなら、a couple of hourを使いますが、3時間以上の暇があったなら使いません。逆に1時間しかなくても使いません。それは「2時間」という基準から完全に外れてるので「a few hours」とか「Several hours」とか、もしくは「3hours, 4hours」のように具体的な時間を言います。
ただ、これから出かけてくるというのも、本人的には「2時間位で戻れそうだな」と思っているので、for a couple of hours. と言ってますが、実際にちょっと散歩とか行く時に時間なんて計りませんよね。なので実際は何時間後に帰ってくるかは分かりません。ただ基準として「2時間位かなぁ」という印象は言った本人にも、言われた人も感じます。
もし、相手にきっかり2時間で戻ると言いたいなら、
I’ll be back in 2hours. と数字で言った方が曖昧さがなくて良いです。
3.a couple of minutes の意味
今度は「分」で考えてみましょう。
例えば、お店でクレープを頼んだとしましょう。結構すでに待ってるお客さんがいっぱいいます。そしてオーダーした後店員さんが
Please wait a couple of minutes. |
と言ったなら、これは「2分」ではクレープは来ないと思った方が確実です。
「分や秒」の場合は、Coupleに限らずそういう表現だからです。
Wait a second!
1秒待って
Just a minute!
1分待って
これらを「ちょっと待っててください」という意味で使いますが、本当に1秒や1分で相手が戻ってくる事なんてそうそうありません。
時と場合によりますが、例えば「頼んだ料理まだですか?」と聞いて、「Wait a second, coming soon!」なんて言われた時はそれからさらに10分位待たされてもおかしくはありません。
これと一緒で、a couple of minutesというのは「少々の時間」という意味で、場合によっては15分くらい待たされてもおかしくはありません。
4.a couple of daysの意味
例えば、旅行に行く友人が
I’m going to stay in Melbourne for a couple of days. So maybe I can join a penguin tour too. |
と言った場合、
これも最初のHourと同じく「2日間くらいメルボルンにいる予定です、だからペンギンツアーに参加出来そうです。」と言っていますが、まだ完全に2日間と決めたわけではないという感じがします。一応予定では2日間ぐらいを予定しているという感じです。実際には3日間以上かもしれません。
もうちゃんとホテルなども予約済で1泊2日と決まってるなら
I’m going to stay for 2days. I’m going to stay for just 1 night. |
などのように表現した方が良いでしょう。
5.a couple of peopleの意味
では、今度は人数に関してです。
最初にCouple=2人組と言いましたが、これも言い方によります。
例えばいつも行列が出来ているドーナツ屋のドーナツを買ってきたとします。
A: Hey, how long did you wait for that? B: Actually, There were only a couple of people there. |
さて、この場合は、決して2人を指してるわけじゃありません。数人つまり3人とか5人は最低でも居た感じを受けます。
例えば、
B: Many couples were waiting & I was so embarrassed as I was waiting alone! カップルだらけで1人で待ってるの超恥ずかしかったよ。 |
・a couple of people = a few people = 数人
・a couple, couples, the couple, =恋人
という事です。
・They are a couple. = あの2人は恋人なんだよ。 ・A couple of people are waiting. = 数人待っている。 |
こういう違いがあるという事を認識しておいてください。
This attraction is for couples. このアトラクションはカップル向けだ。 Can you see that couple? They are wearing the same shirts. |
6.a couple of things.の意味
では、今度は物です。例えば、あなたが料理をしてるとしましょう。
Add a couple of tablespoon of sugar. 大さじ2杯の砂糖を加えます。 |
これは完全に「2杯」です。テーブルスプーン2杯と言っています。
では、次の例です。
A: Would you like to go out with me tonight? 今夜一緒に出かけないかい? B: Sorry, I have a couple of things to do. |
こういうa couple of things と言った場合は、「いくつか」という感じです。a couple of people の時と同じですね。
では例えば、あなたが上司に
Can you prepare a couple of tea? |
と言われたら、何個のお茶を用意すれば良いと思いますか?
これは通常「2人分のお茶を用意してください」という意味です。
お茶を用意してくれと頼むという事は通常は何個用意するべきか聞きますよね?こういう個数を言う時は先ほどのスプーンと同じで2つと言う意味です。これで「いくつかお茶を」なんて言われても何個かなんて分からないわけです。
ただ、例えば会社に5人位来客したのが見えて、その時に上司が Can you prepare a couple of tea? と聞いてきたら、 You mean 2 cups? or for everyone? などと一応確認した方が良いです。 |
ネイティブの間ではこういう時は「2つを意味する」と認識してますが、その上司が必ずネイティブとも限らないですし、他の言い方のように「いくつか」を意味して a couple of を使ってる可能性も多少あります。なので、不安な時は必ず聞き返してください。日本語の「結構です」のように、曖昧な表現というのは英語にも結構あるんです。なので、分からなかったらYou meanで必ず聞き返しましょう。
まとめ
というわけで、a couple of の使い方をもう一度まとめます。
1.基本的には「2」を意味してますが、あくまで「基準が2」というだけであって、必ず2とは限らない。
2.ぱっと見少ないものを見た時にはa couple of は「いくつか」というニュアンスになる。
3.レシピのような本来はっきり数字を言うべき時には「2」の意味で使う。
という具合で、待ち合わせまでの時間など、予定が決まっているものに対して a couple of を使うなら、「2時間、2日間」のように2を意味しますし、散歩のように予定を決めてない状態のものなら「2とは限らない」わけです。
基本的に誤解を避けるためにも、あくまで「2」を基準に考えられる時だけ a couple ofを使ってください。「3時間位になるかもなぁ」と感じてるのであれば、[a few hours][several hours] など別の表現を使うべきです。その辺を踏まえて使ってみてくださいね。
<a とsが同居>
[a couple of 〇〇s]という言い方が基本になります。最初にaが付いてるのは、1カップルだからです。でも1カップルの中身は2つなので、最後にsが付きます。文法的にはややこしい言葉ですが、こういう言い方になります。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 |