dealという単語は日本語に訳すのがなかなか難しい言葉です。しかしながらネイティブはこのdealという単語を連呼してくるので、我々には厄介に感じる単語でしょう。
ここでは様々な使用例を出して、Dealという言葉の実際の会話での使い方を掴んでもらおうと思います。
映画のセリフからも例を出していくので、dealを使いこなしてネイティブ会話にも対応できるようにしていきましょう。
1.dealの基本的な意味と使い方
deal は辞書を見ると、「取引」的な訳が出てくると思います。
確かに取引する時にこのdealという単語は使います。
例えば、店員さんと値切り合戦をしていて、お互い納得いく価格になった時に
deal!と言って握手すると、取引成立!という意味になります。
店員: How about $10? 「10ドルでどうだい?」「もうちょっと負けれくれない?」「おいおい、しゃあない、8.5ドルでどう?」「じゃあその値段で!」「まいど!」 |
のような感じで、お互いがdealと言えば、「じゃあ決まりで!」という感じになります。
2.街で見かける 「〇〇deal」とは
海外で町中を歩いていると、〇〇dealという言葉を沢山見かけます。 例えば、
Movie meal deals と書いてあるこのポスター。
これは言うなれば「セット」です。
〇〇dealというのを見かけたら、それは「スペシャルセット」だと思ってください。
「映画のチケットに、ジュースとポップコーン、3Dグラスも付いて、セットでこの価格です!」のような割引セットのようなものによく「〇〇deal」と使います。
セットの呼び方や数の数え方などについてはこちらで詳しく解説してます。 |
3. deal with の意味
I’ll quit this job. I can’t deal with that stupid new staff any more! 仕事辞めます。もうあのバカな新人には付き合いきれません! |
このように、何か目の前に問題があって、その問題に真正面から相対する事を「deal with」で表現します。上の例文なら「ものこの問題児に対応するのは無理です。だから辞めます」と言っているという事です。
A: My husband could be cheating on me. But I can’t do anything. I’m just afraid something is going to happen. 旦那が浮気してるかもしれないの。でも後で何か揉め事が起こるのが怖いから何もできなくて。 B: You have to deal with it! Talk about it with husband seriously. |
How can I deal with hay fever? I’m taking some medicines. But my nose running never stops. どうやって花粉症に対処したらいいのかな。薬飲んでるんだけど、鼻水が全然止まらなくて。 |
などのように、deal withは対応する、対処するなどの意味で使う事ができます。
A: Oh, I’m hungry. I wanna eat some chips. B: Hey you are on a diet, right? You have to deal with it. 「お腹空いたなぁ。お菓子食べたいなぁ。」 「おい、ダイエット中だろ?うまくその空腹に対処しないと」 |
こういう風に「(空腹だけどダイエット中)という現実に向き合う」という時に使います。お菓子を食べるのではなく、ダイエットを継続できる方法で空腹に対処する方法を考えてなんとかしろと言ってるわけです。
後ほど映画のセリフでもdeal withは解説します。
4.it’s (not) a big deal. の意味
下の例を見てください。
A: Oh my god! I forgot to pray to god this morning. B: It’s not a big deal. It doesn’t matter. A: It’s a big deal for me! |
このように、問題だ!という時、big deal という言い方をします。
ようは、It’s a big problem! と同じです。
この「問題だ」という意味で使う時は「big deal」とbigがほぼ必ず付きます。
It’s a deal というと、「これは契約だ」と違う意味になってしまう方が多いので、基本的にBigとセットで考えてください。
A: Hey, are you drinking expired milk? Stop it! B: It’s not a big deal. |
こういう使い方です。
これ以外にもジョークでI’m kind of a big deal. という言い方があります。
これは「私は重要だ!」と言っています。
She is the one who only can produce IPS cells. She is kind of a big deal. 彼女こそがips細胞を作り出せる唯一の人だ。彼女は重要人物なのだ! |
こんな感じで主にジョークで使われます。
5.Here is the deal の意味
これは例えば、
Here is the deal. You give me $1million & I return your daughter. 取引だ。お前が100万ドル持ってくれば、お前の娘を返してやろう。 |
なにかこういう「提案、取引」を出す時にhere is the deal.と言ったりします。
これについては別の使い方もあるので、映画のセリフで解説していきます。
6.dealerの意味
車を売る人ならcar dealerです。またカジノでカードを配る人もdealerと呼ばれます。
dealとは「取引、ルール」という意味があるので、
ルールを司るという意味でdealerと呼ばれているのでしょう。
7. 映画のセリフからdealを理解する
ここでは実際にネイティブがdealをどう使っているかを映画のセリフから理解していきましょう。
The Hangover
ダグ: Okay? We’re just spending the night in Vegas. |
これは、ダグとその友達でのベガス旅行に義理の弟のアランも参加する事になった時、アランが「自分が行ったら迷惑じゃないだろうか?」と心配した時のダグのセリフです。
It’s no big deal というのは、先ほど説明した It’s not a big deal とまったく同じ意味です。つまり問題じゃない。ただラスベガスで一緒に一夜遊ぶだけで、心配するほどのおおごとじゃないよと言ってるんです。
フィル: Let’s go hook up with Doug, we’ll deal with the baby later. |
これは酔った次の日の朝、友達のダグが行方不明になったと同時に、部屋に謎の赤ん坊が置き去りにされていたのを発見した時のフィルのセリフです。
deal with the baby laterで、「この赤ちゃんに対処するのは後だ」という意味になり、「赤ちゃんの身元探しは後だ」という事を言っています。
dealというのは、なにか問題があって、その問題に面と向かって対処する様を言っています。なので、赤ちゃんの問題への対応は後にしよう、ダグと連絡を取る事が先だ!と言ってるわけです。
フィル:Uh, here’s the deal. We made a mistake last night. 「ここでやらなきゃいけない事があるんだが、俺達は昨晩ミスをした。この結婚をキャンセルしたい。キャンセルできるかい?」 |
これは酔った勢いで見知らぬ女性とスチュワートが結婚してしまったので、キャンセルしたいと言ってるシーンです。
この場合のhere is the deal. は「ここに問題がある、だから解決しなくちゃいけない」という事を言っています。これは前項で説明した「取引」ではありません。
なにか問題があって、それを話し始める時に「実は問題があるんだ」のような感じで使うという事です。ただこれを「提案」と訳しても意味は通じますね。
トレーシー: I’m just wondering why you’re calling me. 「なんであなたが私に電話かけてくんのかなと思ってさ」 |
これはトレーシーが自分のフィアンセのダグからではなく、なぜその友人のフィルが電話をかけてきたのかと思いそれを聞いています。実際はダグが行方不明だからなのですが、そんな事は言えないので、フィルはとっさに「We made a deal」と言って、「せっかくの男だけの旅行だから、旅行中は自分の彼女やかみさんとは話さないっていうルールを作ったんだ」という事を言っているんです。
つまり We made a dealというのは、そういう「ルール、決め事」を作ったという事を言ってるんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?Dealという言葉は慣れるまではいろいろな意味があるので、困惑すると思いますが、基本的には「問題に相対する」という意味です。この感覚を身に付けておけば、dealを使いこなせるようになります。ぜひ何度も読み返してdealの感覚を養っていってください。
ちなみにdealの過去形は dealt (デルト)です。発音注意です。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 |