ここではMayとMightについてその意味と使い方を徹底解説していきます。
Mayに関してはなんとなく「Maybe=たぶん」という感覚で皆さんも理解していると思いますが、Mightはどうでしょう?MightをMayの過去形と文法書チックに覚えてしまうと実際の会話で出てきた時にうまく訳せず困惑してしまう事でしょう。ですので、実際の英会話ではどう使われるのかをこの記事を読んで徹底的にマスターしていってください。
1.May、Mightの文法上の意味
Will Shall Should Can Could Must would |
と同じカテゴリー(助動詞)に属します。
これらの単語はgo, comeなどの「動き」を「補助する」単語です。
I go. = 行く I may go. = 行ける I might go. = 行くかも |
とできる確率やニュアンスを付け足すのがmay, mightなどの「助動詞」の役割です。
2.Mayの意味と会話での使い方
まず、Mayと聞いて皆さんが思いつくセンテンスはなんでしょう?
Maybeたぶん May I help you?手伝える事はありますか? |
この2つをご存知だと思います。
この2つからMayの意味は基本的に2つある事が見えてきます。
まず、MayというのはCanと同じ意味で使われる事があります。例えば
May I help you? Can I help you? |
この2つはまったく同じ意味です。
どちらも「私にあなたを助けられますか?=なにか手伝える事はありますか?」と聞いています。受付嬢やデパートの店員さんなどはこう言ってお客さんに「なにかお困りの事はありませんか?」のような感じで話しかけます。
例えば、これ以外にも、お母さんがケーキを買ってきました。そのケーキを見た子供が
Can I eat that? それ食べていい? |
と聞いてきました。ここでお母さんが答えます。
You can eat. |
これは分かりますよね。じゃあ次のように言ってきたらどうですか?
You may eat. |
たまにネイティブはこう言ってきます。
でもパニックにならないでください。
意味はYou can eatとまったく同じで「食べていいよ」と言ってるんです。
じゃあ、今度はどうでしょう。
例えば、友達が治験のバイトをしてるとします。治験とは新薬を自分の身体を使って実験して安全性を確かめる仕事です。そんな友達の様子が最近明らかに変だとします。顔は青ざめて、肌もアトピー気味です。そこであなたが彼にこう言います。
You may need a new job. |
これはどういう意味か分かるでしょうか?さっきの「Can」と入れ替えてしまう方法だと意味が通じないと思います。
今度は「たぶん君には新しい仕事が必要だ」と言っています。そうです今度の意味は「たぶん」となります。
このようにMayには「たぶん」「できる」の2通りの意味があります |
May I use that? あれを使ってもいいですか? |
と聞いてきたとします。基本的に料理長は優しい人で普段見習いの自分がその包丁を借りても怒ったりしません。しかし新人に使わせていいものだろうか?まあ、怒られる事はないだろうけど。
という心情だとします。そんな時こう言うわけです。
Maybe, you can use it. たぶん使って大丈夫だよ |
「たぶん」の意味と 「できる」の意味を |
両方使いたいなら、
「Maybe」を頭に付けて 「Canのセンテンス」を作ればOKです。 |
どうやって「たぶん」と「できる」どっちの意味なのかを聞き分けるかというと、意味がおかしくない方に訳すという感じです。先ほど出てきた
You may need a new job.→「君は新しい仕事を必要にできる」✖ →「たぶん君には新しい仕事が必要だ」◎ |
「できる」と訳してしまったら意味が分かりませんよね。なので自動的に「たぶん」の方になると分かります。
3.Mightの意味と会話での使い方
皆さんは文法書を見てMightはMayの過去形と覚えているかもしれませんが英会話的にはこれは過去形ではありません。May同様現在形として使います。MightとMayはほぼ同じものです。
例えば、電車が遅延しているとします。会社に遅刻するかもしれないと電話します。
I may be late. Because the train got trouble. I might be late. Because the train got trouble. |
この2つ、基本的にはどちらも「たぶん遅れます。電車がトラブルにあったみたいなんで」と言ってるわけですが、しいて違いを言うなら、Mightの方が遅れる可能性が低く感じる傾向にあります。
I may be late. = たぶん遅れる(遅れる可能性50%) I might be late. = もしかしたら遅れる(遅れる可能性30%) |
*この可能性◯%はあくまで目安であり、センテンスによって変化します。
ただ昨今の英会話では May = Might と捉えれている場合が多く、
どちらを使っても確率に違いはないという意見も多いです。
じゃあ、なぜMightが存在するのか?それはMayが前項で話した通り「できる」「たぶん」の両方の意味があって、困惑する事があるからです。
例えば、
Can you come to the party tonight? 今夜のパーティ来れる? |
と聞かれて、
I may come. |
と言った場合、
「行くことができる」 「たぶん行く」 |
どちらの意味なのか少々曖昧です。 なので、
I might come. |
という事で 「たぶん行くよ」という意味をハッキリ出す事が出来ます。
なぜならmightにはCanの意味はないからです
つまり、may = might であり、「たぶん」の意味で使いたい時はMightを使った方が誤解がなくて良いという事です。そして、人によってはMayよりMightを確率が低いものとして使う事もある。という風に覚えてください。決してMightはMayの過去形ではありません。では、過去形はどう使うのか?それについて次の項で話していきます。
4.MayとMightの過去形
MayとMightは基本的には同じものだと前項で話しました。では過去形はどう使うのかを例を出しながら解説します。
たとえば、刑事が来て「この写真の女に見覚えはあるか?」と聞いてきたとします。あなたは見た事がある気がするけど、どこで見たのか思い出せません。
I may have seen her. But I can’t remember well. I might have seen her. But I can’t remember well. 「見た事ある気がするけど、よく覚えてないなぁ」 |
こういう感じで、
May + 現在完了(have seen)
Might + 現在完了(have seen) の形で言う事で、
「たぶん〇〇だった」のような過去形の表現が可能となります。
この使い方はMay Mightにかぎらず、Would, Could, Shouldなどにも使います。 →より詳しくこの現在完了と合体した使い方の解説をShouldの記事でビデオ解説付きでしてますので、理解を深めるためにぜひこちらも確認してください。 |
5.映画のセリフからMay, Mightを理解する
では、実際に映画のセリフを見てMayとMightへの正しい理解を深めていきましょう。
Pacific rim (邦題:パシフィック・リム) スタッカー: 「古いイエーガーが1つある、マーク3だ。君も分かると思うけど、パイロットが必要なんだ。」 |
これは一度「イエーガー」というロボットのパイロットを辞めたローリーの所に元上司のスタッカー大佐がやってきたシーンです。
You may know it. で「たぶん知ってるだろうけど。(たぶん分かってるだろうけど)」という事を言っています。
ちなみにここで皆さんの中で1つ疑問が生まれているかもしれませんが、
You may know it → Maybe you know it. |
と言ってもOKです。
Maybeを先に言ってセンテンスを作った方が日本人としては楽かもしれませんね。
スタッカー:May I come in, Mako? |
これはスタッカー大佐がマコの部屋を訪れた時に言ったセリフです。これは分かりますよね。「部屋に入ってもいいかな?」と聞いてるわけです。
もちろんこれはCan I come in? とCanで聞いても構いません。
→Can、Couldの意味と使い方。Can I, Can youで考えれば話せる!
ニュートン: うーん、それは秘密なんだ。 |
これはニュートンという科学者が闇商人チャウの所に取引に来た時のシーンで、チャウに「なんのために怪獣の脳みそなんて必要なんだ?」と聞かれた時にニュートンが答えたセリフです。
まず、最初にI couldn’t tell you で「言えない」と言ってます。
(→なぜcouldなのかの理由は仮定の話だからです。詳しくはCanの記事参照)
その後に
I might tell you. (たぶん言う)
I’m gonna tell you. (これから言う)
と言っています。
つまり「企業秘密だから言えない、でも言いたい、言っちゃおうかな。うん、言っちゃおう!」と感情の変化を表現してるんですね。
(→このI’m gonnaについてはWillの記事を見るとよく理解出来ます。)
Oz The Great and Powerful (邦題:オズ はじまりの戦い) オズ: You know, I should tell you, um… I might not actually be a wizard. |
このセリフはShouldの記事でも解説しましたが、オズが南の魔女グリンダに対して「えーと、言っとくべきだな。。実は俺は(君達の求める)魔法使いじゃないかも」と言ってるシーンです。
語順のせいで難しく感じてるかもしれませんが、
I might not actually be a wizard. ↓ Actually, I might not be a wizard. Actually, might be, I’m not a wizard. |
と別の語順で見れば分かりやすいのではないでしょうか?
「実は、たぶん私は魔法使いじゃない」って言ってるんですね。オズはマジシャンですが魔法使いではありません。その事実を伝えようとしているセリフでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか?まず、
MightはMayの過去形ではなく、 May = Might |
という事が理解出来たでしょうか?
1.mayには「たぶん」「できる」の2つの意味がある 2.mightには「たぶん」の意味だけ 3.どちらも過去形は「have -ed」を合体させて使う |
この3つのポイントを覚えておけばバッチリ使いこなせるはずです。
そして使うのが難しいと感じた場合は、先に
Maybe Might be |
とあたまに付けて使えば簡単に言えます。
というわけでなかなか使い勝手の良い言葉ですので、ぜひ実際の英会話でも使いこなせるようにシャドーイングなどで練習してくださいね。
→効率よく英会話を身に付ける方法をこちらの記事で解説してます。
PS. 最初の画像のこの意味は分かりますか?
How may I help you?
つまり「どうあなたをヘルプできますか?=どんな事にお困りですか?私になにか手助け出来る事はありませんか?」と言う意味です。
結局の所、
May I help you? Can I help you? How may I help you? How can I help you? |
この4つの意味は同じです。Howがついても困惑しないでくださいね。
また下記の記事も参考になるので、合わせて目を通しておいてください。 →Should,Should beの意味と使い方<Shouldは実は現在形?!> →Can、Couldの意味と使い方。Can I, Can youで考える事が大事! |