ここでは、英語を話すために一体なにから学べばいいのか?どういう順番で学習すれば英会話の上達を実感できるのか?を教えます。
英語を話すためには正しい順番で学んでいかないと、いくら勉強しても話せないというドツボにハマっていき、勉強すればするほど自信を失っていく負のループにハマってしまいがちです。そうならないためにもこの記事でどういうステップでなにを勉強すれば英語を話せるようになるのかを理解していってください。
基本的には、上記の順番で英語を学習、練習していくと効率よくあなたの英会話力を伸ばしていく事ができます。でも英語を長年話せない人は、5から1に向かった逆方向の勉強をする人が多いです。(単語帳やネイティブフレーズ集でいきなり暗記しだす人達です)では、なぜこの順番じゃないといけないのか、それぞれの理由と学習の仕方を1つ1つ解説して行きます。
1、基礎文法(会話を支えるガイドメロディー)
まず、あなたに必要なのは、基礎文法です。
と言っても別に難しい文法用語を無理に覚える必要はありません。
かくいう私Dr.アジも文法用語が大嫌いです。
文法と言ってもようは、
・単語それぞれにどんな役目があるのか? ・どういう組み合わせ(語順)にすれば言いたいニュアンスになるのか? |
それを知る必要があるだけです。
そして、必要最低限の文法の使い方を理解する事で
あなたは「話し方」が自然と分かるようになります。
なぜなら文法はカラオケで言う「ガイドメロディー」だからです。初めてカラオケを歌う時は、うまく音程が取れませんよね。だから最初はガイドメロディーが必要です。このガイドメロディーを担うのが、基礎文法なんです。基礎文法というのは、いわゆる中学生で習う単語の使い方です。 例えば、
what when where which who how |
will can may shall must should would could might |
これらの使い方です。
まず、これらのちゃんとした使い方を分かっていれば、会話は出来ます。
でも、大抵の人は使い方を理解してないのに、ひたすらフレーズを覚えます。
What should I do to speak English? |
例えば、上のセンテンス、「私が英語を話すためには何をすべきかな?」という事を言っています。
なぜWhatを使うのか? |
これを理解せずにただ、このセンテンスを丸暗記しても、あなたは別の事を言いたい時に使えないわけです。でも逆にこの仕組みを理解していれば、あなたは頭の中で英文を考えてスラスラ言いたい事が言えるようになります。
もっと分かりやすい例でいうと、例えば海外に行って、
Would you like some drink? |
とお店の人に言われたら「ああ、飲み物はいるか聞いてるんだな」という事が分かると思います。なぜならみんなこのセンテンスを暗記してるからです。
では、もしお店の人が
Would you love to drink something? |
なんて聞いてきたらどうでしょう?
あなたは一瞬凍りつくと思います。
「Would you loveってなに?somethingってなに?」
このように知ってる単語を相手が使ってるにも関わらずあなたがパニックになる理由に、センテンスの構造や中学生単語の使い方を理解していない事があります。
ただのセンテンスやフレーズの暗記だけではあなたは別の言い方をされた時に聞き取れないですし、自分でも別の言い方を出来ません。なので、まずあなたが勉強しなきゃいけないのは基礎文法なのです。
ただそこで分厚い文法書を全部覚える必要はありません。あくまでまずは最初に言ったような5W1Hの使い方や、Can,Mayなどの助動詞と言われる9つの単語の使い方です。その使い方+簡単な中学生で習う時制や比較などを理解していれば、旅行会話や買い物などの英会話は簡単に出来るようになります。
逆に文法にのめり込み過ぎると今度は「文法病、文法信者」になり、
完璧主義を目指すあまり、どんどん話すのが怖くなります。
文法はあくまで「ガイドメロディー」であり、「法律」ではないのです。
この「英語を話すための考え方」についてはまた別の記事で解説していきます。
おすすめの文法書としては全世界のEnglish learnerが使っている
English grammar in Use with Answers by Raymond Murphy が一番です。
これは英語が話せる人なら必ずと言っていいほど使っていておすすめする文法書です。(と言っても解説文まで英語ですが。日本語訳版もありますが役に立たないのでオススメしません。日本語版では他の文法書と同じような効果しか得られません。理由は英語で英語を考える事をしないからです。詳しくは別の記事で書きます。)
その他、文法の勉強(といっても、試験英語の文法ではなく、英会話文法)は当サイトを利用したり、
わたくしDr.アジのビデオ講座【ADVANCED BEGINNER】やTHE・英語塾アプリでも
ビデオで楽しく分かりやすく学べます。
2、シャドーイング(妄想)
あなたが文法を勉強しながら絶対にやらなくてはならない事があります。それがシャドーイング(妄想、発想の転換)です。
せっかく文法を勉強してもただ使い方を覚えただけでは意味がありません。実際にどう使うのかを自分で経験する事によって、自分で使いこなす事ができるようになります。
だからと言って、いきなり英会話スクールでネイティブの先生や外人さんと話すのも緊張して大変だと思います。だから、まずは妄想の中で外人さんと話す練習をします。
例えば、あなたが英会話スクールでネイティブの先生が
言ってる事がいまいち分からなかったという妄想をしてみましょう。
ここであなたなら、なんと先生に言ってもう一度説明してもらいますか?
Can you say again? Can you tell me again? Sorry teacher, I didn’t understand. I don’t get it what are you talking about. Could you explain one more time? What do you mean? |
などなど、いくらでも言い方はあります。ちなみに上のセンテンスは極力難しい単語は使わないで作ってみました。あなたがこの中で知らない可能性のある単語はexplainぐらいじゃないかと思います。他は中1で習う単語です。
そう、大抵の事は中学生単語の組み合わせで表現出来てしまいます。だからこそ、最初に基礎文法を身に付け、組み合わせ方さえ理解してしまえば、知ってる単語だけで大抵は言いたい事を伝える事が出来てしまいます。
そして、そのさまざまな英単語の組み合わせパターンを頭でちゃんと理解するためにそして自分でオリジナルのセンテンスを作れるようになるためにこのシャドーイング(=妄想)がとても重要になってきます。
なので文法を勉強してる時は
センテンスを頭の中で作る練習を同時にする事が非常に重要になります。
もちろん最初は難しいでしょうから、紙に考えたセンテンスを書いていっても構いません。そこから徐々に自分の頭の中で上記のような短いセンテンスがパッと作れるようにどんどん妄想していく事が大事です。
このシャドーイング(妄想)の素晴らしい所は時間を気にせずいつでも出来る所です。あなたがシャワーを浴びている時もトイレに入ってる時も料理中でも、いつでも思った事を「英語でどういうのかな?」と考えればそれは=シャドーイングになります。
例えば、シャワー中、
「あ、バスタオル忘れた!バスタオルを忘れたって英語でどういうんだろう。そしてバスタオルを取ってもらうには英語でどう頼めばいいんだろう。。」と
常に英語でどう言うか考えてみる事があなたの英会話力を飛躍的にUPさせるコツです。
ちなみに上の例だったら、
Oh, I forgot to bring my towel! Hey, can you take my towel? |
こんな感じで言えば、伝わりますね。ちなみになぜ上のセンテンスが「Can you」という言葉で始まってるか理解できてますか?理解出来てない人は「Can」の使い方(英会話の基礎文法)を理解出来てないという事です。このように常に生活の中で「英語でどう言うか」という癖を付ける事が英会話を上達させるための最小にして最高の練習法となります。
もちろん、妄想しながらも、英文に自分の力では出来ないセンテンスも多々出てくるでしょう。そんな時は知恵袋で質問してみたり、当サイトのQ&Aを活用したりしてみてください。
さらにシャドーイングが進化すると「発想の転換」が出来るようになります。
例えば、「ガラスが割れる」と言いたい時に「割れる」という英単語が思い浮かばないと思います。でも実際は「割れる→壊れる」と発想を似た言葉に転換すれば、
The glass is broken. という感じで、breakで表現出来ます。
この発想の転換を駆使する事が英語をとっさに話す時の最強の武器になります。
3、発音
さて、基礎文法をシャドーイング(妄想)により身に付けたら、次にあなたが学ぶべき事は「発音」です。この発音をおろそかに考えている人も多いと思います。もちろん完璧にする必要はありません。完璧にする事はある意味不可能です。我々は欧米人とは骨格や風土、文化が違うのですから。
ただ必要最低限の発音のルールを知ってる事は通じる英語を話すために、また聞き取り能力を上げるために必要な事です。
例えば、外人さんが日本語を話す時も独特の発音になりますよね。
「カラオケ」だったら「カリオッケ~」のような発音になります。
これは英語と日本語のリズムや発音の仕組みが違うからです。
また例えば私の妻はタイ人なのですが、妻は「いただきまぁ」と「いただきまっすぅ」の違いはなんだ?とたまに聞いてきます。我々が普段「いただきます」を発音する時、最期の「す」を一瞬半音で発音するので、妻にはこの仕組がよく分かりません。
なので、書き言葉では「いただきます」ですが、外人さんがそれを聞き取ると「いただきまぁ」に聞こえるわけです。
これは我々も英語を聞き取る時に感じます。
なぜなら英語もリエゾンで発音を省略(Accent Reduction)するからです。
このように、書き言葉と実際の会話では違うという事を頭で理解するために「発音」を勉強する事は極めて重要です。発音の仕組みについてはまた別の記事で書いていきますが、ここで、発音の勉強法をひとつ紹介するとしたら、それはYoutubeです。
Youtubeで「英語 発音」「pronunciation」のように検索すれば、英語の発音をネイティブが解説しているビデオが山ほど出てきます。ですのでそこから自分が「この人の発音の解説は分かりやすいな」と感じる人のビデオをブックマークしておき、毎日それらを見ながら口真似するだけでもだいぶ基礎発音は良くなり、より通じる英語を身に付ける事が出来ますし、聞き取り能力UPにも大幅に役立つので、ぜひ今発音で悩んでいる人は、探してみてください。
4、実践(試してみる、自分を知る)
ここまできたら、あとはもう実践でより濃い経験を積んでいくのみです。もうあなたは基礎文法とシャドーイング、そして発音練習でひと通りの初心者英会話のための予行練習と修行はしっかりやりました。そしたらあとは実際に外国人と話してみて、会話の仕方に慣れていく事です。
英会話スクールやSkypeレッスンを利用したり、実際に旅行やワーホリ、留学、出張などで海外に行ってみるのも良いでしょう。
とにかく今まで学んできた知ってる言い回しだけで辞書を使わず外人さんと英語を話してみる、そうする事であなたは英会話のコツやこれからどんな事を学んでいくべきなのかが見えてきます。例えば、
ああ外人さんは「あなた達」と複数の人を指す場合、You guysって言うんだ。
これは文法書には載ってなかったけど、実際の会話では「あなた」と「あなた達」を言い分けてるんだな。
など、実践を積む事で、様々な会話独特の言い回しを知る事ができ、それによってあなたの英会話力はここから飛躍的に進化していきます。
分からない単語などを相手が言ってきても
What do you mean?
などの聞き返し言葉を使えば、相手は分かりやすい英単語で言い直してくれるので、会話は成立しますし、その聞き返しによってどんどん相手から新しい英単語やフレーズを吸収できます。
これでもう英会話初心者は脱出です! 他の一般の日本人からしたら「なんで英語話せるの?すごいね!」と言われる位の英会話力にはなっています。
5、語彙(ボキャブラリー)を増やす
さて、このレベルまで来て初めてあなたはより沢山の英単語やフレーズを覚えていく事により、自分のボキャブラリーを増大させ、中級、上級へとレベルアップ出来るわけです。
なぜか日本人は今まで話してきた1~4をすっ飛ばして、必死に英単語やネイティブフレーズを暗記します。
基礎会話をどうやればいいのかも理解してないくせに沢山英単語やフレーズを覚えても、どうやって使えばいいか分かってないので無駄な努力に終わります。
日本語で考えてみましょう!
「私はこの本をインターネットで買おうと思います。」
という簡単な一言すら日本語で言えない外国人がいきなり日本語漢字集を買って
「書籍、購入、検討」という難しい単語を必死に暗記したり
「私はこの書籍のインターネットでの購入を検討しております」なんていうフレーズを覚えようとしてたら、あなたはどう感じますか?
もっと簡単な言い方を先に教えますよね?
日本人はこれと同じ事を英語の勉強でやっています。英語で簡単な一言を言う方法すら分かってないくせに難しい単語やネイティブフレーズを沢山覚えようと必死に暗記するのです。そんな事をしても無駄なのは、上の例で分かると思います。
基礎話法が身に付いていて、初めて難しい言い回しや単語も使いこなせるわけです。なので、あなたが語彙、ボキャブラリーを増やしていくのは一番最期です。
しかも増やし方は単語帳やフレーズ集を見て暗記するのではなく、映画の英語字幕を読んだり、ディクテーションする事でより正しい口語表現を吸収する事ができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか、今あなたは1から5のうち、何番目を勉強するべきか分かったでしょうか?もし基礎文法すら理解してないのなら、まずあなたがやるべきなのはそこからです!
もう一度まとめると、
- 基礎文法を勉強し理解する。
- シャドーイング(妄想、発想の転換)をして基礎文法を使いこなす脳トレをする
- 発音練習してより伝わる、聞き取れる能力を身に付ける
- 実際に外国人と話してみて、コツを掴む、相手から吸収する
- 映画や実際の会話から語彙(ボキャブラリー)を増やしていく
という事になります。
この順序で学習していけば、あなたも必ず初心者英会話を自力で話せるようになります。いきなり上級を目指したり、聞き流しのような魔法の学習法でそれを身に付ける事は出来ません。ぜひそれを頭に入れて実りある英会話学習をこれからはやるようにしていきましょう!