文法書には「あなた」でも「あなたたち」でもYouとしか書いてませんが、実際の英会話ではもちろん使い分けなきゃまともに話なんかできません。
ここでは、あなた達と英語で言うにはどうすればいいのかを解説していきます。
1.あなた達の基本は「You guys」
あなた達を表現する言葉で老若男女使える言葉かつ、もっとも使われている表現として、You guysという言い方があります。これが「あなた達」の基本形です。
例えば、社長が下記の図のように、Aさん、Bさん、Cさんの3人に
「君たち一緒に来てくれる?」と言いたい時に、
「Can you come with me?」と言ったとします。
そしたら確実にABCの3人は困惑するでしょう。
なぜなら誰に対して言ってるのか分からないからです。
Aさん1人に対して来いと言ってるのか?それともBさん?
それとも3人とも来いと言ってるのか、分かりませんよね?
もちろん社長が、
「Mr.A, Can you come with me?」
のように、名前を先に言えばMr.Aだけに来て欲しいと分かりますが、
実は社長は3人同時に呼びたいわけです。
じゃあ「君たち来てくれるか?」と3人一緒に呼ぶにはどうすればいいかというと
| Can you guys come with me? Guys, can you come with me? |
のように、guysという言葉を付ければ良いのです。
このguysには「彼ら」という意味があるので、複数に声をかけたい時はguysを付けるのです。
ネイティブはこういう風に「あなた」と「あなたたち」を言い分けているのです。
You guys とすれば、「あなたたち(君たち)」となりますし、
別に先にguys!と言えば、続く言葉はyouだけで言ってもあなた達の意味で言ってると伝わります。
*ただし、Guysを目上の人達に使うのはやや失礼になる場合もあります。
なので、他の言い方も後述します。
2.GuyとGuysの違い
そもそも「a guy」は「青年」を指します。
| That guy is very popular. あいつはとても人気がある |
のように使います。このguyは基本的に男性に対してのみ使います。
しかし、Guys と複数形にすると、老若男女問わず使えるようになります。
| Come here, guys! お前らこっち来いよ! |
この「お前ら」は男だけだろうが、女だけだろうが、男女混ざったグループだろうが誰に対しても使えるわけです。
子供に対しても、
| Stop fighting, guys! (ケンカをやめなさい) |
と使う事も出来ます。
ただ、必ずGuysだけを使わなきゃいけないというわけではありません。
3.様々な You 〇〇
基本形として「あなた達」にはYouと共にguysを使うと話してきましたが、
別にGuysだけが「達」を表すわけではありません。例えば相手が子供なら
| Stop fighting you boys! Stop fighting you girls! Stop fighting you people! See you everyone! See you children! See you kids! |
などのように、Youの後ろになにを付けても実は基本的にはOKなのです。
例えば、相手が目上の人で、guysだと若干失礼になるのではと心配なら、
上の例のように、you people, you everyone などを使うと良いです。
学校の先生の集まりで、先生たちに「あなたがた」と言うなら、
You teachers でも良いですし、
お医者さんの集まりで、「あなたがた」なら、
You doctors でも良いわけです。
他にも例えば、教室にいる何名かに手伝って欲しい教授が
| You two, help me! (Two of you, help me!) You three, help me! (Three of you, help me!) |
のように、「そこの2人(3人)手伝って」のように
数を指定する事も出来ます。
4.映画のセリフから「あなたたち」を理解する
では、映画のセリフからも実際ネイティブが「あなたたち」をどう言い分けているか見ていきましょう。
| The Hangover (邦題:ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い) トレーシー: Phil, where the hell are you guys? |
「フィル、あなた達は一体どこにいるの?」
電話の向こう側にフィルとその友人達がおり、あなた達はどこ?と聞きたいので、You guysが使われています。ちなみにこのthe hellというのはスラングです。しばらく連絡が取れなかったので「一体全体」のように怒りを強調している感じです。
フィル: I’m assuming that that squad car belongs to one of you. |
「私が思うにあのパトカーはあなた達の中の1人のものですよね」
これはパトカーを盗んで捕まったフィル達が警官2人に対して質問しているシーンです。
one of you というのは「あなたたちの中の1人」という意味です。盗んだパトカーはあなた達の部署の警官の1人が所有してるものですよね?と聞いています。
警官: Do any of you gentlemen have a heart condition or anything like that? |
「君たちの中に心臓に関する病気とかある人はいるかな?」
you gentlemenとする事で直訳すれば「あなたがた殿方達」となり、ようはYou guysのguysの部分をgentlemenに変えただけで同じく「あなたたち」という意味になっています。
かなり丁寧な言い方と言えますね。目上の人、何かフォーマルな場所で、
Guysだと砕けすぎてる場合などは、
You gentlemen, You ladies などを使うのもアリというわけです。
any of you gentlemenとする事で「君たちの中のだれか」という意味になっています。
→anything like that のようなlikeの意味と使い方
スチュワート: Here’s something I would like to remind you two of~ |
「君たち2人に忠告しておきたい事がある」
ここでは、you two と言う事で、スチュワートが今一緒にいるフィルとアラン、君達両方に向けての忠告だよ!と強調しています。
→ Here is something のようなsomething の意味
まとめ
1つ誤解のないように言っておきますが、もちろん「you」だけでも「あなたたち」という意味にはなります。ただ、やはり実際の会話では「あなた」と「あなたたち」を使い分けなければ誤解を産みますし、うまく説明できない事が多々出てきます。
そのためにも、最低限でも基本形である「You guys」は使うようにしていきましょう。
ちなみにYou guysはビデオ解説バージョンもあります。
解説してる事はまったく同じですが、もう一度復習したい方はこちらを見ると良いと思います。
今回のYou guysの言い方から分かる事は「文法を信じ過ぎるな!」という事です。文法書にはなぜかどの書を見ても「あなたたちもYou」としか書いてないのです。私自身オーストラリアに来て「See you guys!」と言われ、「このguysってなんだろう?」と最初は困惑したものです。
ですので、文法書を盲信しすぎないでください。
我々が国語の教科書通りの日本語で話さないように、
文法書で教えてる英語と、実際の英会話は違うのだと理解して、
英会話で使う英語という部分を意識して学んでいくと、
英語が飛躍的に話せるようになります。
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